transitbeans

2020/08/09 10:35

Brazil Forquilha do Rio Natural

国:ブラジル
標高:1120m‐1422m
エリア:ミナス・ジェライス州カパラオー,エスペランサ
品種:レッドカトゥアイ
農園名:ファルキーリャ・ド・リオ農園
生産者:ジョゼ・アレキサンドレ・アブリュー・デラセルダ

“You must have attention to details to produce the best coffee.”

小さな町の名農園

フォルキーリャ・ドゥ・リオ農園は、ミナス・ジェライス州東部の高地カパラオーに位置する小規模農園です。一家が代々受け継いできた農園で現在はジョゼ・アレキサンドレ氏が農園主を務め、土地だけでなく生産の知識やノウハウを大切に繋いでいます。

 2009年よりスペシャルティコーヒーの生産に転換し設備投資を行い、またコーヒー生産と共に培ってきたワイン生産の知識を活用したと言います。品質に特化して厳格な生産体制を作っている為、20Haの農地において生産量は年間600袋ほどと少ないものの、60-70%がスペシャルティコーヒーとして流通し、マタス・デ・ミナス地区の地域コンテストでは6年連続チャンピオンに、ミナス・ジェライス州のコンテストにおいても2012年14年と2度の入賞を果たしています。

徹底した品質向上を

こうした高品質なコーヒー生産を実現していくために、発酵工程や新しい技術の導入、プロセスの検証、パティオの種類と乾燥の質など様々な角度から検証を行っています。こうした研究はスペシャルティに特化した輸出業者とのシナジーを生みだし、互いの情報交換によって更なる品質向上をもたらしました。そうした成果もあり、今クロップでは約8割がスペシャルティの品質に達するまでに至りました。

農園が位置するカパラオー、エスペラフェリス市はミナス・ジェライス州とエスピリットサント州の境の自然保護区に近い小さな町で、高標高なコーヒー生産にも適した気候条件に恵まれています。特にフォルキーリャ・ドゥ・リオ農園の立地は、最高1400mの高地で気温も12℃~25度と穏やかな気候を有し、天然の水資源にも恵まれた素晴らしい土地です。

そうした素晴らしい土地に恵まれながらもジョゼ・アレキサンドロ氏は“You must have attention to details to produce the best coffee.”(最高のコーヒーを作るためには、細部にまで注意を払う必要がある)と自身のポリシーを語ってくれました。



カパラオーのコーヒー

カパラオーは、ミナス・ジェライス州の東端、エスピリットサント州との州境に位置する小さなエリアです。BSCAが定める生産地区分ではアラポンガと共にMatas de Minasに区分されています。古くはカパラオー産のコーヒーはハイフェノリックで粗悪なコーヒーだとZona da Mataと呼称されていました。都市部から離れた山岳地帯にあるこの土地は、メイン生産地と異なり小規模生産者がほとんどで、標高による気候条件の違いや古くからセレクトピッキングでの収穫を行う慣例の違いから、当時より熟度の高いコーヒーが生産されており、熟度が高くフルーティな風味は当時のブラジルではハイフェノリックとして、評価されてこなかったそうです。

現在ではスペシャルティコーヒーの機運が高まり、風味の多様性や品質に目が向けられ、近隣のアラポンガやエスピリットサントなど東部のコーヒーが持つフルーティな風味は、今までのブラジルコーヒーとは全く異なるフレーバーとして熱視線が注がれています。


「カッピングコメント」

フォルキーリャ・ド・リオ農園が手掛けた今回のキャラクターですが、
とても、すっきりとした甘味とバニラのような風味が感じ取れると思います。
伝統的なブラジルらしい風味もナッツの様な香ばしさとコクが心地良いのですが
今回のファルキーリャ・ド・リオ農園のレッドカトゥアイ ナチュラルは
一般的なナチュラル製法の癖が無く、非常にスッキリとした甘さと香りです。
繊細な風味のデザートと組み合わせて楽しむのもよいですね。

個人的には夏の暑い時に飲むホットコーヒーとして
スッキリとした甘さと香りを、ショートケーキやフルーツタルトと
ペアリングして楽しみたいですね。

今回のフォルキーリャ・ド・リオ農園は浅煎りに仕上げています。
アイスコーヒーとして抽出し、グレープフルーツを入れて飲むのも
スッキリとしたフルーティな風味を楽しめると思います。
是非、固定観念にとらわれずに、コーヒー生産者と焙煎士が作り出す。
新しい風味を楽しんで貰えたと思います。