transitbeans

2020/06/21 10:08

Colombia Los Naranjos Pink Bourbon

農園:ロス・ナランホス農園   

生産者:ホセ エフライン モスキエラ ドミンゲス

エリア:カウカ県ティンビオ、シロエ

品種:ピンク ブルボン

生産処理:ウォッシュド


30年間大切に育ててきた品種

コロンビアコーヒー
コロンビアでスペシャルティコーヒーを専門的に取り扱うBanexport社。彼らは設立以来、コーヒー産業にイノベーションを起こしたいと生産者の支援と技術・品質向上に長年取り組んでおり、数多くの生産処理や品種の研究をしてきました。このノウハウを活かしてピンクブルボンやゲイシャなど風味特性に優れた品種を生産者が栽培し、高品質なコーヒーに伴う対価やコーヒー生産のモチベーションを高めるために、資金的・技術的なサポートも行っています。

 コロンビアのコーヒー生産を紐解くと、18世紀初頭に北部のノルテ・デ・サンタンデールに持ち込まれたことが起源とされています。本格的には19世紀に入ってから同地でコーヒー生産が行われたと言われ、19世紀後半には需要の高まりとともに生産地も拡大。1923年にはコロンビアのコーヒー生産者によってFNC(コロンビアコーヒー生産者連合会)が設立され、高品質なコーヒー生産国として確立してきました。

品種の来歴
こうした歴史背景の中、エチオピアからティピカやブルボンなどが持ち込まれたと言われており、その後カトゥーラに取って代わり、近代ではタビやカチモール、コロンビア、カスティージョなどの開発品種が広く伝搬。2010年のさび病の蔓延とその後の植え替えも進み、現在では生産量の約7割が病耐性を高めた品種とされています。

そうした時代背景の中でBanexportが様々な小規模農園へ赴くと、古くから植えられた品種に出会うこともあったそうです。そうした1つに彼らが後にピンクブルボンと呼ぶ朱色に成熟し、得意な風味特性を持つ品種があり、こうして出会った特徴的な幾つかの品種を類別しました。試験栽培と並行して、種子バンクの研究施設でDNA鑑定を行うと、彼らがピンクブルボンと呼ぶ品種は、シダモやイルガチェッフェなどのエチオピア原種に近しいとされる解析結果でした。その後も品種の研究・試験栽培を進め、現在のピンクブルボンプロジェクトとして風味の優れた品種の生産によって生産者をサポートするプログラムに発展してきました。


ロス・ナランホス農園の歴史
ロス・ナランホス農園はこうした農園の1つで、70歳を迎える農園主のホセさんが30年間営んできた歴史ある農園です。30年前に建設業を辞め念願だったコーヒー農園を始めた際、息子さんの勧めで植えたブルボン種がこのピンクブルボンでした。以来、30年にわたってこの品種を生産してきたホセさんは、近年のスペシャルティコーヒーの台頭の中でBanexportと出会い、この品種を伝えることとなりました。

 この品種が生み出すコーヒーは、この30年の中でも高く評価してもらい家計を支えてくれたと言います。また、スペシャルティコーヒーのマーケットが確立してきた今も、容易に市場参入することができた事から、植え替えはせずに大切に育ててきました。

現在は、品種のみに頼らずに適切な生産プロセスのトレーニングを受け、驕ることなく、より良い品質を目指しています。

「カッピングコメント」

華やかで力強い、輪郭のしっかりとした風味バランス、ワイルドでインパクトのある風味のるコーヒー銘柄です。

カシスやクランベリーなどベリー系の酸味とアロマは、なかなかコロンビアらしからぬキャラクターではないかと思います。ケニアのSLやグァテマラのパカマラ似た風味があり、ハーブ系のの風味も感じ取れるのではないでしょうか

マイクロクライメットが作り出す風味と品種のキャラクター、そして、生産農家の努力と情熱が合わさってできるTop of top Specialty Coffee 

当店では、焙煎度合いを浅煎り合わせ、高温短時間焙煎し、コロンビア ロス・ナランホス農園のピンクブルボンのキャラクターを解かり易いように仕上げています。

生産農家と焙煎士の技術と風味の構成を嗜好と好みで楽しんで頂けたらと思います。


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